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陰気なサーカス

えとぶんしょうをかくそんざい

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蓮子とメリーの冒涜的なティータイム

(注意:茶番、雑)

 10月某日、時刻は正午を回ったところだった。宇佐見蓮子──蓮子と、マエリベリー・ハーン──メリーの二人はのんきに珈琲を飲んでいる。
 ここは喫茶マヨヒガ。心に迷いを持った人たちの訪れる、どこにでも在ってどこにもない、そんな喫茶店。
「何で私たちはこんな所に居るのかしら?」
 対面でメリーは半目で珈琲をすすりながら呟く。
「さあ。でもまぁ、珈琲は美味しいし」
 蓮子も内心疑問に思いながら、珈琲と一緒に疑問を飲み込んだ。香ばしさと滑らかな暖かみをもった液体は腹の底へ落ちていき、その温もりは全身に広がった。心なしかいつもよりも珈琲が美味しく感じられる。これが、最近急に冷え込むようになった為か、それともこの店の珈琲が美味しいのか、或いはその両方かは分からなかった。
 そのまま、何気なく上を見上げると、シーリングファンが優雅に回っていた。
「ねぇ、蓮子。今度私達はクトゥルフ神話の世界に行くらしいわよ」と、唐突にメリーは切り出す。
「え?そんなの聞いてないよ」メリーに向き直りながら云う。
 本当にそんな話は聞いていなかった。いつの間にそんな決まっていたのか。
「それでね。その時の私達のステータスがこの紙に書いてあるらしいんだけど」
 メリーは小さな鞄から茶封筒を取り出す。飾り気のない茶封筒には「冬コミ」と書いてあった。
「冬コミって何かしら」
「一言で云うなら、お祭りかな」
「ふぅん」心底興味無さげにメリーはこたえた。
 そのまま適当に封を破ろうとするメリーを静止して、蓮子は自分の鞄から白銀のペーパーナイフを取り出す。そして、その封をそっと切り開いた。

rennkonn.jpg

nI3X5ux.jpg

「そうだ。クトゥルフ神話TRPG(以下CoC)に詳しくない人も居るだろうし、各ステータスを分かり易く解説しようか。
 先ず、それぞれのステータスを簡単に云いかえると、

str→筋力
con→頑丈さ
dex→素早さ+器用さ
siz→大きさ
app→容姿の良さ
pow→精神力
int→発想力、広義の賢さ
edn→教養

と云った感じ。
 ちなみに、edn以外の能力の変域は3≦(数値)≦18、で期待値は10.5。6≦(数値)≦21、期待値は13.5。下限、上限はそれぞれ人間として限界値。一般的な人は各パラメタが10、11くらいに落ち着く訳だね」
 云い終わると、メリーが髪の毛を弄りながら微妙な表情でこちらを見ている。
 気になったので、「何?」と問う。
「分かりにくい」とメリーはこたえた。
「うん」
 確かに、CoCを知らない人がこれを聞いて分かり易いかは微妙だろう。
「じゃあ、軽くそれぞれのステータスを見ていこうか」
「ええ。分かり易くね」
「先ず、str、con、sizに関しては、二人とも一般的な成人女性の数値だね」
「私より蓮子の方が若干背が高いけれど、sizとしては同じなのね」
「CoCのsizって体重だから、それはメリーの方が――」
 そこまで云ったとき、背筋を冷たいものが走った。怒気をはらませた視線が飛んできて正面を直視できない。
「違うわ」メリーは膨れながら云う。
 可愛かったのでもう少し弄ろうかと思ったけれど、少々デリカシィに欠けると感じ断念した。

「次にdexかな」
「私はおおよそ平均値だけど、蓮子はやけに高いわね」
 秘封倶楽部は不良サークル、時に逃走しなくてはならないときも有る。その時頼れるのは自分の足であり、日々それなりに鍛えられている感は有る。これは二人に共通する事なので、この差異を生じた要因に思考を巡らせていると、蓮子の思考を読んだかのように、
「手癖の悪さ?」とメリーは問うた。
「人聞きが悪い」
 失礼な話だ。

「お次はapp」
 と云いメリーを見ると、勝ち誇ったように微笑んでいる。
 勿論、云わんとしてる事は分かる。
 確かにメリーの方が美人だ。ビスクドールのような繊細さと、人間らしい愛嬌を併せ持つ彼女は、普通に歩いているだけで人々の目を惹く。けれど、数値として示されると、なんだか癪だ。わざわざ突き付けられなくてもいい現実を、無理やり押し付けられているようだ。
「メリーのapp17は人間の限界に近いレベル。私が低いんじゃなくて、メリーが高すぎるの」
 自分で云って凹む。普段は全く気にしないけれど、二人で並んでいる様子を、傍から見たらどう見えるのか。どこか虚しくもなる反面、自分の友人の美しさを誇らしくも思うのだ。
「……私は何も云ってないわよ?」
「そうですね」
 一瞬の沈黙。
 何か云おうと思ったが、この空気を作ったのは自分なので上手く言葉が出なかった。
「私は・・・・・・好きよ。こういうのって、数値化できるものじゃないと思うの」
「ありがとう」
 適当にお世辞と受け取っておこう。
「それに……蓮子の良さは私だけが分かれば良いもの」
「ん?」
 メリーが何かを呟いたようだったけれど、蓮子には聞き取ることが出来なかった。直ぐに聞き返したが、適当のはぐらかされてしまった。

「次はint」
「自称プランク並の頭脳は伊達じゃなかったって事ね」
「照れるな」
 何となくこそばゆくて少し帽子を弄っていたら、
「そんな賢い蓮子なら、時計をしっかり確認して時間通りに待ち合わせに着くくらい、簡単よね?」
という言葉が、涼しげな視線と共に飛んできた。
「善処します」
「よろしい」

「最後にeduね」
「さっき最大値は21て云ってたけど、これはどういう事なのかしら?」
「これは少しネタバレになってしまうんだけど、これは“現代の探索者”のキャラシートなの。ここで云う現代というのは20、21世紀を指している。科学世紀と21世紀では当然教育水準が違うから、科学世紀の大学生は21世紀の学問の権威と同じくらいの知識を持っているという想定らしいよ」
「ふぅん。中々、面倒くさいことをするわね」
 メリーは興味無さげに空になった珈琲カップを眺めた。

「まだ説明していない数値があるわ。san、アイデア、幸運、それから知識ね」
「その辺の数値はゲーム内での処理に使用するものだから、今回は説明する必要は無いかなって」
 知っている人は知っているで構わないし、知らない人も今回は困らないだろう。
「あとはその下の方の技能ね。まあ、読めば何となく分かるものが多いけれど」
「数字の大きさがそのままその人の知識量であったり、熟練度だったりするわけだね。例えば、“図書館”であったら、数値が高いほど図書館で調べものをするときに、欲しい情報を得られる可能性が高くなる。ちなみに、“母国語”の技能に関しては、edu×3にエラッタするらしい」
「蓮子は超統一物理学関連の技能、私は相対性精神学繋がりか、心理学とかの技能が高いわね。あと、“オカルト”とか“隠れる”なんかが高いのは、今までの秘封倶楽部の活動の賜物かしら」何にも嬉しくないけど、とメリーは付け加える。
 蓮子は適当に笑った。




 蓮子は喫茶店の裏手でそっと煙草に火を点ける。裏手は暗く、湿っている。だから火が付きにくかった。
 さて、少し疑問点をまとめよう。
 私たちは何故このマヨヒガへやってきたのか。
 私もメリーも、特に悩みは無かった。何の悩みも無いのなら、ここへたどり着くことは無い。では何故か。
 メリーが嘘を吐いている?
 それは無い。メリーは嘘が下手だ。本人はばれていないつもりかも知れないが、あれに騙されるのはよっぽどのお人よし、あるいはプランクトンだろう。
 嗚呼、結論を先延ばしにしてもしょうがない。私は答を知っている。
 答では簡単で、筆者が私、宇佐見蓮子のキャラクター性に悩んでいるから。
 宇佐見蓮子という人間の思考をトレースするために、とりあえず何でも良いから文章を書くために、こんな茶番を用意したんだろう。
 ふうと煙を吐きだし、次の思考へ移る。
 メリーへ送られてきた探索者シートは“現代の探索者”のものだった。つまり、私たちは過去へ飛ばされることとなるようだ。
 どうしてそんな目に遭わなくてはならないのか、見当もつかない。
 「まあ、でも……」
 面白ければそれで構わないのだ。秘密の封を暴くもの。真実の探求者。
 
 それが私たち秘封倶楽部。

続き↓
 途中で書くのに飽きたし、やっぱり蓮子視点は死ぬほど書きにくいです。
 まあ、そんな感じのクトゥルフ神話trpg×秘封倶楽部的な小説を書いてるので、興味があったら覗いて行ってね。
 ちなみに、上のキャラシは小説の内容には何の関係も御座いません。作りたいから作って、折角だからブログに載せただけです。物好きな方は、二人の数字を見てニヤニヤしていって下さい。
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動物も居なければ、トランポリンもブランコも無い、道化師1人の演目を御覧あれ。


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