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陰気なサーカス

≫2017年09月

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Depth of Swampのあとがき

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 本文は、9/18日の科学世紀のカフェテラスにて作者が販売した小説「Depth of Swamp」のあとがきになります。若干のネタバレを含みます。


 150Pという制約を自ら設けてしまったゆえに、あとがきがほとんど書けなかった。もともと、作品の余韻を損ねないように、あまり長々書くつもりも無かったような気がする。今となっては思い出せないし、思い出せないって事は、きっとどうでも良い事なんだと思う。
 本作は僕が秘封を知り、秘封にハマり、自分の秘封を妄想した2、3年間の間に思いついた断片的なネタを、複数融合する形で誕生した。具体的には、「ドッペルゲンガーの恋人」「喫茶マヨヒガへようこそ」の二つの作品の融合体になる。

 「ドッペルゲンガーの恋人」は、恋人として付き合い始めてからしばらくした蓮子とメリーさんの前に、それぞれの恋人の姿をしたドッペルゲンガーが現れるというもの。そして、二人は恋人がすり替わっていることに気付くことも無く、静かに破滅していく。そう云った筋書きのお話だ。

 「喫茶マヨヒガへようこそ」は、秘封倶楽部とはまったく関係の無いお話だった。何処にでも在って、何処にも無い、そんな喫茶マヨヒガと云う喫茶店に悩みを持った幻想郷の住民がやって来るというもの。原作の東方の世界とはパラレルワールド的な世界観を意識していて、店長の”謎の金髪の女性”が悩みを解決してくれる、一話完結のお話。

 この二つがどう合体して本作になったのだろう……?
 前者を本当は形にしようと思っていた。けれど、プロットを軽く見るだけで、気分が暗くなる。処女作がこれと云うのはいかがなものか。困り果てた。
 確かそこから2か月ほど筆が止まった。
 バッドエンドはナンセンスだと思う。物語の終わりは大団円じゃなきゃ駄目だと信じている。しかし、どうにも結末が、ハッピーエンドが思いつかなかった。
 そこで、初期に書いていた60000文字を思い切って全消去してみた。バックアップなど何処にもない。ゼロからプロットを考え直してみた。

 僕にしか書けない話って何だろう?僕の好きな秘封って何だろう?

 問答している際に、少し面白いテーマにぶつかった。
 「沼の男」だ。ドナルド・デイヴィッドソンの提唱した同一性に関する思考実験である。割と有名なので、その分野に興味のある人は知っている話だろう。
 そこで、何かを思いついた。自分のメモ帳にある話の種を見直していたら、一本のプロットが頭の中で出来上がった。
 それが本作だった。思いついたころは、この作品に名前は無かった。けれど、面白くなりそうな気がした。
 実際、書いていて割と楽しかった。キャラ達の会話は頭の中でキャラ同士が勝手に喋ってくれるので楽だったし、情景描写もキャラの思考をトレースすると自然に思い浮かんだ。
 苦しんだのは、如何にして作品の中で哲学的な命題に言及するか、という事。
 思考するのはメリーさん、酷い目に遭うのは蓮子、語る人は謎の女性。ポジションが決まっても、中々彼女たちは哲学的な命題を噛み砕いて説明してはくれない。当たり前なんだけど。
 哲学を噛み砕いて、分かり易く作品に混ぜ込むのは僕の仕事だった。
 哲学にさほど興味のない第三者の目が欲しかった。協力者の話は以前の記事で言及したので、割愛する。
 彼には何度も「分かりにくく無いか?」「もう少し分かり易くした方が良いか?」と尋ねた。尖ったテーマを扱う以上、細心の注意を払うべきだろうと考えていた。読者に不必要な負担を掛けたくなかった為である。
 一番気を遣ったのは2章である。
 2章に関しては読者に心理的な負担を強いたかった。イメージとしてはドグラ・マグラ。脳が腸ねん転を起こしそうな感覚に陥って欲しいと思って書いた。しかし、それで読むのを投げられてしまってはしょうがない。ギリギリのラインを狙って”読み難く”してみた。
 
 本書は製作費的に1000円未満にすることが不可能な事が割と初めから分かっていた。文庫本150Pが1000円である。控えめに云ってバカ高い。そんな事が許されるのかと不安になるレベルで高い。
 だから、最低でも二読してもらえる作品を目指した。1週目と2週目、見えてくる世界の異なる作品を目指して執筆した。300Pで1000円、少し高いが許容される価格だろう。二読する魅力を感じて貰えなかったら、それは完全に僕の実力不足だ。もしも、一読して物語の全体像が見通せて、もう一読する価値も感じなかったら、是非とも僕に伝えて欲しい。次回作は、必ずあなたを満足させられる様な作品にする事を約束する。

 読み直して未熟と感じる部分が大きい。それでも、現在僕の持ってるリソースは余すことなく消費して結晶した作品が今作「Depth of Swamp」だ。直訳すれば、沼の深さ。depthには悲しみや絶望の深さ、なんて意味もある。さほど深く考えずにつけた名前だから、さほど気にしないで欲しい。そうだな……略すときはDoSとか呼ぶと良いのかな。

 本作に込めたメッセージをここで語るのは余りに無粋だ。
 本の解釈は人の数だけある。僕は一つの解答を用意しているけれど、それは模範解答ではないかもしれない。絶対的な正しさなんて何処にも無いんだから。

 最後に、本作のキャッチコピーは「私はまだ、私を私たらしめる境界条件を知らない。」だ。これはメリーさんの視点に立ったセリフな訳だけど、実はこのキャッチコピーには続きがある。
 ここまでこの記事を読んでくれた奇特な方には、折角なので問いを投げよう。
 この続きを、是非考えてみて欲しい。
 どんな言葉が続くんだろうか。長いのか、短いのか。はてまた、この続きがあると云うこと自体が虚構なのか。

 僕は考えてくれるみんなの姿を想像しながら、そっと筆を置こう。
 
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京都レポ ~合格!優勝!内定!~


同人イベント初参加、サークル初参加、そして初作品で、

実質完売
の戦績を収めました、陰気なサーカスの綾辻賽ことclownです。

(注)実質完売の意味合いとしては、印刷会社が予備で送ってくれた分以外全て捌けたという云う事。

・京都レポ一日目(9/17)

 さて、まず初めに。今回の京都旅行において僕と一緒に来てくれたイカれた(イカした)メンバーの存在無しでは語ることが出来ません。
 紹介するぜ。俺とお前とアルコールからくんだ!
 あ、以上です……。
 あまり秘封に詳しくないのにも関わらず、売り子として連れ添ってくれたクールなフレンズ(単数)です。


 我々は関東圏の人間なので、先ずは京都まで出る必要が有りました。そこで夜行バスを用いて、16日の夜に出発し、17日に6時前に無事到着しました。到着してまず、僕の意見で京都駅周辺の街並みを眺めて回っていたのですが、途中で問題が発生します。深夜バス移動により、二人は大きく体力を消耗しており、活動する活力が残されていなかったのです。
 嗚呼、どうしようか。宿舎のチェックインは15時。今は7時30分。絶望です。
 このまま疲労を残した状態では動くこともままならなかったので、先ほど駅周辺を散策している時に発見した漫画喫茶で休息をとることにしました。この判断は功を奏します。わざわざ京都くんだりまで来て漫画喫茶でぶっ倒れると云うのは、なんとも趣の無い話では有りますが……。

 三時間ほどの休憩をはさみ、次に我々が向かったのは京都水族館です。
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 何で水族館かと云うと、台風が絶賛接近中で出来るだけ雨風の影響の小さい場所に行きたかった為です。京都っぽさこそ有りませんが、堅実な面白さが有りますし、実際とても楽しかったのでOKです。
 身長180センチほどの若者二人組が子供たちを押しのけ水槽に張り付いたり、食い入るようにペンギンへの餌やりの様子を見つめる己くんを眺める僕の絵は、なかなかシュールだったように思われます。旅の恥は搔き捨て。


 2時間ほど京都水族館を堪能した後、吉野家で昼食を取り、関係者各位へのお土産などを吟味しました。そして次に向かったのは京都FANJです。
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 科学世紀のカフェテラス、求代目の紅茶会へのサークル参加者の貰えた特権で、3000円のチケットなしでこのライブに参加させてもらいました。運営の努力には頭が下がります。
 大好きなTUMENECO、森羅万象、豚乙女が参戦しているという事もあり大変心が躍りました。
 実際、トップバッターのTUMENECOのサヴァイブルーで昇天してしまったので……。
 ホテルのチェックインの時間の関係で、19時程に撤退せざるを得なかったのが残念でした。
 色々とインスピレーションを受けたので、今後の作品に上手くフィードバックしていきたいと思います。


 台風に追われながら、宿に転がり込むと、僕の不手際で少し気もが冷えましたが、宿のマスターが気を利かせてくれて何とかなりました。対応が親切で大変良かったですね。柔らかいベッドと布団で眠れると云うのは当たり前じゃないし、かけがえのない事なんだということを再認識させられましたね。深夜バスはクソ。


・京都レポ二日目(9/18)

 京都秘封こと、第七回科学世紀のカフェテラス本番です。
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 徹底して時間に余裕を持って万全の態勢で臨みます。
 が、僕は非常に緊張に弱い性質なのでテンパリ倒します。
 冒頭にも書いたんですが、サークル初参加で、人生ではじめてちゃんとした形にした作品を持ち込んでいたので、本当に不安でした。過半数売れて欲しい。欲を云えば20冊くらいは売れないかな、なんて思っていました。
 蓋を開ければ売れたのは29冊。運営提出分、見本分を除いたすべてが売れたことになります。
 己くん曰く「優勝!」
 パッと見で買って行って下さる方も、もの凄く吟味を重ねてから買っていく方もいて、面白いですね。小説のジャケ買いって勇気がいると思うんですよ。僕はほとんど広報活動をしませんでしたし、内容なんてほとんど分からなかったかと思われます。そんな中でさっと買っていく、もとい買って行って下さる方々は何を思ったのか、ぜひとも伺いたいところです。
 「頑張ってください」
 と声を掛けてもらえることがこれほど嬉しいとは思いませんでした。
 本当に大勝利だと思っています。
 優勝!


 イベントで無事に優勝したので、さらに優勝するために居酒屋へ向かいます。
 7時間ほど居酒屋でつぶそうと思っていたのですが、混雑中故に3時間ほどで追い出されてしまいました。 話を肴に酒を飲めるオタク二人なので、無限に居られる気がするんですけどね。
 ちなみに今回のイベントの結果は、”優勝”の上位互換の”内定”だそうです。
 合格 < 優勝 < 内定
 というグレードです。

 追い出されてしまったので、帰りのバスが来るまでの時間、カラオケで騒ぎ倒します。
 三時間のカラオケで残る体力のほぼ全てを使い果たしたのか、口数が減っていく己くんに対して、イベントの興奮冷めやらぬ僕はずっとへらへらしてました。ごめんなさい。

 帰りはまた深夜バス。
 やっぱりクソだよ。 


 終わってみれば慌しくも大変楽しい二日間でした。
 来年も、また参加したいですね。


 簡易的なレポですが、忘れぬうちに文章にしておきました。
 最後に。
 秘封は最高だぜ。優勝!

 

追記(2017/10/2)

 己くんが京都レポ漫画を描いてくれたよ。
 可愛いよ。

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動物も居なければ、トランポリンもブランコも無い、道化師1人の演目を御覧あれ。


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